中国のファンダメンタルズに変化

上海株式市場では、年初から1 週間で2 回のサーキットブレーカーが掛かった。サーキットブ
レーカーとは、株価指数が7%の下落した時点でその後の取引が終日停止される制度である。昨
年の6 - 8 月の中国株急落の経験を踏まえての当局の規制であった。
ところが短期間で2 回発動されたことから、投資家は「株式を売りたい時に売れない」という
恐怖感を抱き、株式市場で取引が再開されると、また売りを出すといった悪循環に陥った。株価
の下落を緩和するはずのサーキットブレーカー制度は投資家の心理を悪化させただけであった。
しかし今回の中国株急落は昨夏の下落とは意味合いがまったく違う。これまで中国の「集金マ
シーン」とされていた外貨準備高を見ると昨年来、減少著しい。なぜ外貨準備高が集金マシーン
とみなされていたかというと中国の貿易統計には通常の貿易取引以外の資本取引も取引項目を書
き換えて流入していた。これが大量の短期的な投機資金として中国国内に流入していた。外貨準
備高の急増は、資本取引の流入も大いに含まれていたのだ。
今度はその短期資金の流入を示す外貨準備高が急減しているわけだから、中国国内に流入して
いた投資資金がキャピタルフライトを起こして国外に逃避しているということを意味する。中国
人民銀行(中央銀行)が発表した12 月末時点の中国の外貨準備高は3 兆3300 億ドルで、前月末
時点と比べて1079 億ドルも減少した。もちろん減少幅も過去最大で、2015 年は過去最大の5126
億6000 万ドルの減少となった。これは少しずつ中国経済のファンダメンタルズが崩れ始めてい
ることを意味する(一時は4 兆ドルを超えていた)。
中国の人口は頭打ちし、労働人口も減少に転じ始めていると報道されている。そんな最中に再
燃した株価急落問題であった。昨年の中国株急落は短期的な中国株の高騰と信用取引を使った無
法なレバレッジ取引が引き金となった。しかし年初からの中国株安は完全に中国のファンダメン
タルズを疑問視しての株売りであった。もしそうであれば中国株式は、今後も下落傾向が続くの
であろうか? 当面は乱高下を繰り返すのかもしれないが、一方的な売り一色の市場が続くとは
想像できない。なぜならば中国の経済規模は日本の2 倍の水準にあり、年率3 %成長でも日本の
3 倍の伸びが確実であるからだ。
むしろ今後、中国は国内消費を刺激する内需拡大経済に移行出来るのか、どうかが焦点になる
はずだ。

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