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ストレステストでも何も分からなかった

2010/07/27

ユーロ圏の金融機関の健全性を査定するストレステスト(資産査定)の結果が7月23日に公表された。
このテストは2010年、2011年のユーロ圏の経済成長率が予測の3%を下回り、国債価格が5月上旬の安値を下回った時に、現時点で金融機関の保有する資産にどれだけの悪影響が出るのかを調べたもので、金融機関の自己資本比率6%維持が合格の条件だった。
モルガンスタンレーの事前予想ではユーロ圏の上場銀行17行で400億ユーロの資本不足になると見ていた。また野村ホールディングスは最大16行が不合格になり、資本不足が750億ユーロに達すると分析していた。
しかし結果は資本不足は7行(スペイン5行、ドイツ1行、ギリシャ1行)でたったの35億ユーロが不足するとの試算であった。
当然、各国金融当局や機関投資家の反応は鈍く、更なるテストが必要になるのではないかとの見解が多かった。ユーロ圏が問題の先送りや合法的な隠ぺい工作に出ていると疑うアナリストも多い。
かつて日本はバブル崩壊後に92年に旧大蔵省が日本の金融機関の不良債権の総額を12.3兆円と公表していた。がしかし10年後の2002年には77兆円とその数字を改めた。同じようなことがユーロ圏の金融機関にも起こるのだろうか。
だがユーロ圏の不良債権問題処理に10年も掛ける余裕はない。当時とは比較にならないほど、グローバリゼーションが進んでおり、為替市場、株式市場、債券市場が早々に「判決を下す」ことになるからだ。今後、数カ月のユーロ圏の金融市場に注目したい。