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NYダウ1万ポイント大台割れの意味

2010/08/29

8月26日のニューヨーク市場では、終値ベースで前日比で75ドル安の9985ドルとなった。景気二番底懸念が出て来ているからだ。

株価の下落に拍車を掛けたのが住宅市場の悪化を示す指標である。7 月の中古住宅販売件数は年率換算で383万戸となり、前月比で27.2%減と大幅に落ち込んだ。同じく7月の新築一戸建て住宅販売件数も年率換算で27万6000戸となり、前月比で12.4%減となった。
慎重な投資資金は米国債の買いを活発化させた。金融危機直前に米10年物国債の利回りは4%前後を付けていたが、このところの債券買いによって10年物国債の利回りは年率2.48%まで低下した(8月26日現在)。
「株売り、債券買い」が続く背景には、景気の後退によって資金需要が後退し、それが長期化するのではないかとの観測からだ。投資資金が確定利回り商品で滞留している間は米産業全般に資金が回りにくくなる。株式市場に資金が回りにくくなれば上場企業は、株価下落要因となる資金の調達(増資)に躊躇する。そうなればリスク投資の回避⇒ 株価下落⇒増資の凍結⇒企業業績の悪化⇒個人消費の落ち込み⇒更なるリスク投資の回避となる。
ダウジョーンズ(NY ダウ)の1万ドル割れは以下のスパイラルを心配しての警告のように感じられる。米政府の目新たらしい経済対策が必要になるが、財政の悪化に歯止めがかからない今、追加的な財政支出は期待できない。しかしながら一つ明るい材料は、インドや中国、ブラジルを中心とした新興国の経済が絶好調であることだ。アメリカ経済はもはや世界のけん引役である必要はないのだ。

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