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中東の民主化とはイスラム原理主義への回帰

2011/02/10

昨年来懸念されていた南欧(PIIGS)の財政問題が一応落ち着きを見せ始めている。年初から2月2 日までで、世界の株式市場でもっともパフォーマンスが良いのは、ギリシャ+ 17.69 %、スペイン+ 12.35 %、イタリア+ 10.97 %の順で南欧3 カ国が上位を独占した。IMF とユーロ圏諸国が一体となって、国際社会に救済をアピールしてきたことが奏功した。
しかしながら、ここに来てもっと大きな不確定要素が現れた。資産格差や失業率の高止まりから政権に対する不満が高まり、チュニジアから始まった民衆の大規模デモは、隣国のエジプトにも飛び火した。今後は他の中東諸国への波及が懸念されている。
ICG ヨーロッパのヨハブ・リウィットは「中東諸国の一般庶民は総じて『反米・反イスラエル』にも関わらず、エジプトで長期政権を続けてきたムバラク政権は『親米政権』としてサウジアラビアと共に中東の大国としてアメリカを支えてきた」と言う。そして反政府デモに関する「オバマ大統領の演説は『デモを支持し中東諸国の民主化が進むチャンス』と誤ったメッセージを送っている」と分析する。
中東諸国各国の名主たちは、アメリカ政権の加護のもとにイスラム原理主義を抑えることが出来たのに、今回のオバマ大統領の発言で中東諸国の名主たちは「大きな疑念を抱いた」とヨハブは言う。
中東諸国は長期混迷の時代に突入したようだ。長年、アメリカを友人だと思っていた中東の国家元首たちは、ヨハブの分析のようにアメリカの援助を受けながらイスラム原理主義を抑えてきた。ところが今回のアメリカの行動はパンドラの箱を自ら空けてしまったことになる。中東の民主化が進むということは、イスラム原理主義に回帰するということなのにアメリカ自身が気がついていない。
原油を中心とした商品もポジションに加える時期に来た。