‘2011/05’ カテゴリーのアーカイブ

中国バブルはまだまだ続く!?

2011/05/19

5 月12 日の夜、予想より早期のタイミングで金融引き締め策が発表された。中国の金融機関の預金準備率が18 日から0.5%引き上げられ、大型金融機関は21 %、中小金融機関は17.5 %となる。預金準備率は銀行が預金総額のうち、中央銀行に預け入れる比率を表したもの。引き上げると流通する通貨の量が減り金融引き締め効果が得られる。果たして中国バブルは崩壊が近いのか?

中国国家統計局の試算では、中国都市部の「持つ者と持たざる者」の格差がどんどん拡大しているという。少し古い統計であるが2008 年の時点で都市部の上位10 %の富裕層が自由に使える可処分所得は6300 米ドルで、貧困の下位10 %の可処分所得の9 倍に達したと言われている。しかし現実にはもっと大きな開きがあったようだ。民間の中国改革財団の統計によると上位10 %の富裕層は1 年に20200 ドルの自由に使える資金があり、最下層の10 %と比較して25 倍の差があるとしている。2011 年初時点では、中国の富裕層上位59 万人(人口の0.05 %)が、国民資産の全体の2 兆7000 億ドル(全体の約20%)を保有しており、富が一部の富裕層に集中している。
人民元の先高感が強い現状では、これらの富裕層は国内に株式や不動産で人民元建て資産を保有していく方が望ましいと考えている。超富裕層が売却⇒海外投資といった流れは見られない。中国政府は意図的に貧富の格差を作って数少ない富裕層をコントロールするほうが政治はスムーズに行くと考えているのではないだろうか?
当面は富裕層が国内に資産を保有し国内向けに投資する可能性が高いので、中国政府が金融引き締めを行ったところで引き締め効果は限定的となろう。香港市場に上場会社を保有しているエバーグランデ不動産、Zhong Sheng Holdings、Tencent の中国本土出身のオーナー達のように1000 万米ドルから4000 万米ドルの香港島のピークや香港島南部の超高級物件を購入している例も
見られるが、それでも「香港止まり」で海外投資には目が向かない。
インフレが深刻化しても中国が高度成長を続ける限り超富裕層が増え続ける。そして人民元高圧力が掛り続ける限り富裕層は資産を国内に留める。中国バブルは今始まったところなのかもしれない。