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米国債の格下げの次は、日本国債 2011年08月09日号

2011/08/31

「米ドル」が史上初の格下げを経験した。米格付け会社のS&P が8 月5 日、米国債の格付けを
「トリプルA」から1 段階下の「ダブルAプラス」に引き下げたのだ。
世界の基軸通貨として絶対的な信頼を得ていた通貨の落日が始まった。かといってそれに代わ
る通貨は存在しない。日本円はどうか。ユーロと並ぶ3 大通貨とはいえ、世界の中央銀行の外貨
準備高のわずか3 %を占めているだけなので問題外だし、ユーロも多くの国が債務問題を抱えて
いる上、根本的な問題解決には踏み込まずに延命しているだけなので依然危機が続いている。
そんな中でゴールドが急騰している。代替通貨がなく行き場を失った資金が不変の価値を持つ
ゴールドに集まるのは自然の流れだろう。
ただ今回の米国債の格下げは、ここ数カ月「格下げするぞ、するぞ、皆さん、準備はいいか」
と格付け会社が事前に丁寧かつ繰り返し予告していたので、金融市場は格下げをほとんど織り込
んでいた。しかも格付け会社は格下げ前に米政府に「事前予告」をして、市場がクローズした後
に発表するといった手順を踏んた。金曜日を選んで発表したのため各国政府は土曜・日曜に対策
を練り、G7 が電話会談して結束をアピールすることだってできた。様々な手段で「報復」して
くる米政府には格付け会社も異常なほど気を遣うのだ。
ところで危ないのは米国だけだろうか。日米を比べると、未曽有の借金を垂れ流しして改善の
ための議論さえしない日本のほうがよほど危機的な状況にある。
日本を「格下」と見ている米格付け会社はいずれ米政府に対して見せた手順を踏まず、予告な
しで格下げを行ってくるだろう。為替がこれ以上ドル安になりにくいのは、そういった政治的な
背景が大きいように思う。
日本円は3 月17 日に76.25 円、8 月1 日に76.29 円のダブル底を付けた。通常、短期的には
相場が反転するタイミングにある。1995 年4 月の79.65 円の円高と重ねると長期的に見ても円
高の転換期にあることは間違いない。もし相場に転換期が訪れなければ金融市場がもっと危険な
ステージに入っていることを意味する。資本主義は続くのだろうか? と。

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