‘2011/09’ カテゴリーのアーカイブ

世界景気の後退は、国債利回りの低下から 2011年09月24日号

2011/09/26

財政危機のユーロ圏では9 月20 日、ギリシャの10 年物国債の利回りが年率21%台という異常
な高水準で売買された。ギリシャの政府債務残高は2010 年末時点で3285 億ユーロ存在する。10
- 20%程度のモラトリアムが有ったと仮定しても、債権者には328 億ユーロから656 億ユーロの
負担が生じる計算となる。この後にポルトガル、アイルランドが控えていることを考えると、ユー
ロ圏の財政危機が長期化することは疑いの余地がない。
一方で先進諸国の財政状態も決して楽観できない水準でありながら、信用力の低下している
10 年物の国債は買われている。金利は日本0.99%(22 日現在、以下同)、アメリカ1.72%、ドイ
ツ1.67%となっている。これは一体何を意味するのか?
米FRB によるツイストオペレーション(長期国債購入)による影響はあるものの、それに投資
家が追随しているのが現状である。
日本のデフレは別として、アメリカもユーロ圏も2%前後のインフレが存在する。アメリカが
ゼロ金利、ユーロ圏が1.5%ということを考慮すると、アメリカは2%程度の実質マイナス金利、
ユーロ圏は0.5%程度の実質マイナス金利となる。アメリカやユーロ圏の人々は、銀行にお金を
預けておくと、それぞれそれぞれ年率2%、0.5%ずつお金の価値が減少していく計算である。
それにも関わらず、国債が買われている状況(利回りが低下する状況)は、今後の世界経済に
暗雲が立ちこめており、投資家によるリスクトラレンス(リスク許容度)が極度に落ち込んでい
るからだ。それはリスクを負って投資する資金が少なくなり、各国の経済活動に支障をきたし、
更なる金融政策の施行も利かなくなってくる可能性が高いということ。
資産運用のポートフォリオのおいては、日米欧の先進国への投資は避ける。といって新興国な
らどこでも良いわけではなく、先進国からのマネーの流入が鈍ることを前提として投資先を選別
していかなくてはならない。