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金融緩和合戦が始まった 2012年01月31日号

2012/02/02

2011 年第4 四半期の中国のGDP 成長率は8.9 %と減速した。これを受けて1 月17 日の香港、
韓国、インドネシア、インド等のアジア各国の株式市場は2 - 4 %程度の大幅な上昇を記録した。
景気が減速するというのになぜ株価が上昇するのか?

約3 年前のリーマンショック後、米FRB の金融緩和政策、特に量的緩和政策によってカネ余り
になった資金が商品相場に流れ込んだために、新興国における食糧品価格が高騰し、これらの国々
はインフレに悩まされ続けてきた。インフレを抑制するために新興国は金融引き締め政策(利上
げや銀行の預金準備率の引き上げ)を取らざるを得なかった。

しかしここにきて「ユーロ財政危機のお陰」で欧米の景気が減速し、その影響で新興国にも経
済成長に秋波が送られるようになった。経済成長を実現するという点では、欧米の景気後退は新
興国の経済成長にも悪影響を及ぼす可能性が高いが、アジア株を中心とした新興国株はずっと金
融引き締め政策に悩まされてきた側面のほうが強い。

従って欧米の景気減速はアジアの株式市場にとって神風となる。今年の前半はアジア各国によ
る金融緩和競争が激化しそうだ。すでに金融緩和局面に突入した中国、韓国、タイ、インドネシ
アは今後も利下げや銀行の準備率を引き下げてくる。アジア3 番目の経済大国のインドも昨年8
月をピークにインフレ率が低下しており、ついに金融緩和に踏み切った。

そして資金は定期預金や債券のような確定利回り商品から株式や不動産のようなリスク商品に
回帰してくることになる。上海株、香港株、インドネシア株、フィリピン株、インド株、と軒並
み今年の上半期だけで20 %前後のパフォーマンスを上げるだろう。