‘2012/03’ カテゴリーのアーカイブ

為替は当面、円安圧力 2012年03月21日号

2012/03/21

 リーマンショック発生時(2008 年9 月15 日)の為替レートは、1 ドル= 107 円台であった。
その後2011 年10 月、一時75 円台に突入する。円高の理由は米FRB による量的緩和政策に集約
出来る。日本は政策金利を0.1 %、米国は0 - 0.25 %という実質ゼロ金利政策をとった。
 しかし米国は08 年11 月- 10 年6 月まで総額1.725 兆ドルの量的緩和第1 弾(QE1)を行い、
2010 年11 月から11 年6 月まで、今度はFRB が米国債を6000 億ドル買い上げて市場に資金を供
給する量的緩和(QE2)を行った。
 1 個200 円で10 個販売されているりんごを、10 人が購入しても値段は変わらないが、10 個の
りんごに対し20 人が買いに来ると、りんごの値段は跳ね上がる。この時りんごを20 個供給すれ
ば値段は、もとの200 円に近付く。
 何が言いたいかと言うと、米FRB の量的緩和政策は、市場における米ドル(りんご)を大量に
増やす政策であった。従って米ドル(りんご)は、相対的に安くなる。一方の日銀の方は、この
間ほとんど資金供給をしていない。米FRB がバランスシート(資産)を3 倍に拡大させたのに対
して、同時期の日銀はわずか20 %程度バランスシート(資産)を膨らませただけであった。
 りんごの供給量を3 倍に増やしたアメリカに対して、日本はわずか20 %増やしただけだから
当然、アメリカのりんご(米ドル)の方が当然安くなる(つまり円高になる)。
 75 円台に入った理由は、さらに量的緩和第3 弾(QE3)が行われるのではないかとの期待が市
場に蔓延したためにドルの先安観が強くなった。
 しかしQE3 は現在のところ実現していない。ドル安による輸出産業の業績回復やギリシャ救援
決定を受けて、市場のセンチメントが良くなったからだ。日銀が2 月に入って10 兆円程度の金
融緩和とインフレ目標1 %を打ち出したことも円ドル相場の転機になった。
 今後は「りんご(米ドル)の数(供給量)を減らす政策」をアメリカがとってくることからド
ル高・円安へのプレッシャーが続く。長い目で見ると長期円安相場への転換点であると見られる。

1 / 512345