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スイスフラン高で、また円高? 2012年04月19日号

2012/04/19

 2011 年9 月6 日、スイス国立銀行はスイスフランの対ユーロレートの下限を1 ユーロ= 1.20
スイスフランに設定すると発表した。それは1 ユーロ= 1.2 スイスフランを超えるスイスフラン
高は容認しないという、マーケットへ対する強いメッセージとなった。
 スイスはユーロ危機の当事者であるギリシャ、ポルトガル、スペイン、イタリア等から脱出し
てくる資金の受け皿となった。これまでもスイスは、「有事の逃避地」として重要な役割を果た
して来たが、今またユーロ危機で、「ユーロ売り、スイスフラン買い」が進行し、昨年8 月には
一時1.03 スイスフランまで買われた。スイスというと金融ばかりが目立つが、実は時計を始め
とする精密機械や化学産業といった輸出産業も盛んで、その競争力がスイスフラン高によって削
がれてしまった。
 事実上の固定相場移行を発表して以降、スイス当局の為替介入(スイスフラン売り、ユーロ買
い)によって1 ユーロ= 1.2 スイスフラン以下に保たれてきたが、ギリシャ救済が具体化したこ
とで、スイスが変動相場制に戻すのではないかとの憶測が飛び交っている。4 月5 日には一時、
1 ユーロ= 1.1990 スイスフランを付けている。スイス金融当局はこの水準を守るために無制限
に外貨を購入する、つまりスイスフランを売る用意があるとの意思を示しているが、この動きが
食い止められなければ、日本円も再び円高に「誘導される可能性」がある。
 それはなぜか。スイスの10 年物国債利回りは0.73 %(4 月17 日現在)で、日本の10 年物国
債利回りの0.93 %(同)を遥かに下回る。利回り0.73 %のスイスフランが買われるのに、0.93
%の日本円が買われないわけがない。ということは円を購入して日本の国債を買う=円高になる
という予測なのだが……。