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米ドル回収着手で世界の株価が動揺!?

2013/06/11

日本株が急落した理由は様々だ。中国景気の減速、長期金利の上昇懸念、アベノミクスの第 3
の矢「成長戦略」への失望等……。しかし主因は何と言っても米 FRB による「金融政策の転換懸
念」である。これまで出血大サービスにより米ドル紙幣を増刷してきた米国が、ここにきて「財
政の崖」問題に対処するため強制的に歳出削減することになった。さらに住宅価格の上昇や個人
消費の回復期待から、将来のインフレに備えて「紙幣の発行量を減少させる」政策に転換しよう
としている。
リーマンショックに対処するため FRB が 2008 年 12 月に政策金利(フェデラルファンド金利の
誘導目標)を 0-0.25 %に引き下げてから 5 年が経過しようとしている。ふと気づけば米国も
「日本病」にかかっていた。サブ・プライムローンの焦げ付きによる不良債権の処理に時間を要
するために、低金利政策で銀行を救済する――この金融政策は 90 年代に日本が行ったことと同
じ過ちである。超低金利政策は金融機関を救済する手段である反面、個人の預貯金に対する利息
もゼロにしてしまう。不労所得による収入が雲散霧消してしまったため、個人消費には大きな悪
影響を及ぼす。
日本の一般庶民が得ている金利は、95 年に公定歩合が 1 %を割れして以降 18 年間もほぼゼロ
の状況が続いている。米国も金融機関を救済するための政策が個人消費を抑制してしまう副作用
をもたらすというジレンマに陥った。
日本の状況を熟知している米国は、この状況を打破するために早めに「量的緩和を終了させる
必要がある」と考えている。利上げは量的緩和が終了してからの話だ。
バーナンキ FRB 議長は「雇用やインフレ率の変化に応じ、証券購入の減額、もしくは増額の両
方に備えている」と不安定な金融市場に釘を刺す。「量的緩和の縮小」という「金融引き締めへ
の布石」は 5 年ぶりとなるのだから、日本株など先進国の株価、アジア株を始めとした新興国の
株価が動揺するのも当然のことと言えそうだ。