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自発的景気減速-中国経済

2013/07/25

2 %台で推移していた中国のインターバンクレートである上海銀行間取引金利(SHIBOR)が 13.
444 %まで急伸したのが 6 月 20 日。しかしその後は中国金融当局の介入もあり 7 月 23 日時点で
は 3.1355 %まで低下している。急伸の原因は投資の不採算から利子支払いのための資金調達に
窮したシャドーバンキング(影の銀行)にあるといわれている。
中国は習近平国家主席率いる新政権に移行後、地方政府の役人や官僚の汚職・腐敗の撲滅に立
ち上がった。汚職・腐敗の温床となっているのが、金融機関の通常ルートとは別ルートで融資を
行うシャドーバンキングである。
金融機関から融資を受けることができない地方政府は「融資平台」(政府投資プロジェクトの
資金調達を行う独立法人)を活用し、シャドーバンキングにより公共事業資金を手当てしていた。
だがもともと融資を受けるのが困難な事業であったために採算性は非常に低く、その大部分が貸
し倒れになるのではないかと言われている。シャドーバンキングの規模は中国の GDP 比で 20 -
50 %程度あり、不良債権処理を誤ると景気に及ぼす影響は小さくない。
中国政府はこのシャドーバンキングによる焦げ付きをどのように処理するのだろうか? その
思考は資本主義の常識では計り知ることができないが、90 年代の「三角債」のような破綻処理
スキームが考えられる。「三角債」とは、例えば企業間の取引で「掛けで売る」、つまり将来の一
定時点で代金を受け取る約束をして商品を納入する取引で、その「売掛金」を担保にして、さら
に新規ビジネスを行う手法である。だがもし当初の売掛金の回収が困難になった場合、連鎖的に
企業が破綻するケースが相次ぐ。また三角債が特殊だったのは、一つの売り掛けに対して複数の
取引(100 万円の売り掛けに対して、違った複数の会社からそれぞれ 100 万円の取引)が行われ
ていた点である。
改革と経済の急成長で三角債問題は雲散霧消してしまったが、昨今のシャドーバンキングも同
じ類のレバレッジ取引と見られている。10 %以上の高度成長の終わった今、最終的なシャドー
バンキングの解決方法はあの国独特の「チャラ」(徳政令)という可能性が高い。