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債務上限引き上げ問題――長期的には円安

2013/10/17

米議会の上下両院は16 日夜(日本時間17 日午前)、来年2月7日まで連邦政府の国債発行を
認める暫定措置などを含む法案を相次いで可決した。国債発行を来年2 月7 日まで米政府に認
めるということは事実上、16 兆4000 億ドルの「債務上限の引き上げ」ということになる。それ
は米国債の発行残高が増加するということだから、米国債の価値は下落する(=米国債は売り対
象になる)。
一方で、もし今回、民主・共和両党が合意に至らず、米国が償還する米国債の元本や利息の未
払いが発生するデフォルト(債務不履行)が発生したら、どのような事態になっていただろうか?
当然、米国債は売られて価格は急落する(=利回りは上昇する)。
米国債の売りは、現在は落ち着いているギリシャ、スペイン、イタリア国債にまで波及し、日
本やドイツ、イギリスといった先進諸国の国債の利回りの動向にも大きな影響を与えた可能性も
ある(しかもその可能性はまだ残っている)。
面子と実益を考えるとアメリカがデフォルトに陥るとは考えられないが、要するにアメリカが
直面している問題は「債務引き上げ問題の結果に関わらず」米国債は売られる傾向にあるという
ことだ。当面は米国債の発行量が増加することを嫌気して米国債が売られる。ドルも弱含みで推
移すると考えられるが、長期で見た場合に日米金利差の拡大は明白である。
16 日現在、米国債の利回りが2.83%、日本国債の利回りは0.63%。金利差は2.2%程度あるが、
この差が拡大傾向を示せば、長期的には円を売ってドルを買う動きが顕著になってくるはずだ。
つまり今回の債務上限引き上げ問題は、結果の如何に関わらず、長期的には日本円が円安に動
く動機づけにもなることを抑えておく必要がある。