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米FRBは量的緩和の縮小を止める?

2014/02/21

NY 株は米景気回復を先取りする形で1 万6000 ドル台の史上最高値近辺にあり、米10 年物国
債もインフレを先取りする形で年利回り2.8%台まで上昇している(価格は下落)。金融市場を見
る限りでは米景気回復が規定の路線として語られる事が多く、米FRB も12 月下旬に量的緩和の
縮小を発表した。しかしながら足元の景気回復は確固としたものではないようだ。1 月10 日に
米商務省によって発表された12 月の雇用統計では失業率が6.7%まで改善されたものの、非農業
部門雇用者数は前月比7 万4000 人増に留まった。景気回復の目安とされる20 万人増を下回って
いることから景気は弱含みと判断されている。また14 日に発表された米小売売上高は前月比0.
7%増で市場予想を上回った。要するに統計は米景気の回復がまだら模様で、景気回復を確信出来
る材料に乏しいのだ。
もしそうであるならば、実際の景気動向を読む上で重宝にされてきた指標はどうなっているの
だろうか。世界貿易において海運運賃の上昇下落を先取りするバルチック海運指数はどのように
動いているのだろうか。1 月21 日時点で1369 ドル。3 カ月前の10 月15 日が941 ドルであるこ
とから45%も上昇している。一方で直近高値は同12 月10 日の2237 ドルでわずか1 カ月で63%も
下落している。そして商品の動きを示す28 品目で構成されているCRB 指数は物価を先取りして
動くが、1 月15 日時点で278.40 ドル。3 カ月前の10 月15 日の286.31 ドルからは2.8%低いと
ころに位置する。近い将来の物価にインフレの兆候は見られないのである。
NY 株は量的緩和の継続を追い風に「金融相場」で上昇してきた。今、市場参加者は米企業の
企業業績に注目して売買している。つまり「業績相場」への転換である。しかし実体経済が浮上
しないままであれば、FRB の量的緩和の縮小は一時中断に追い込まれることも想定しておかなく
てはならない。「金融相場」への逆戻りである。
これは何を意味するのか? 景気後退、景気回復のどちらに転んでも米株価を下支えする要因
となるのである。米株式市場はバブルではないのだ。