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ユーロ高・円安が定着へ

2014/05/23

ヨーロッパ中央銀行(ECB)が早晩、金融緩和に動くことが確実な情勢となり、債券相場はそ
れを早々に織り込んでいる。財政危機で悩まされていたスペインの10 年物国債の利回りは5 月
20 日現在で3.08 %にまで低下している。またイタリア国債は3.26 %まで低下した。リーマン
ショック後に一時、7 %を超える利回りであったが、5 月中旬には両国債共に利回りは2 %台に
突入したこともあった。ついに米国債の利回り(同2.51 %)も視野に入り始めた。
欧州各国が一般大衆の反対を押し切る形で財政改革に踏み切った点が大きい。しかしながら行
き過ぎた財政改革により個人消費が落ち込み景気回復を遅らせている。内需は落ち込み、特に南
欧諸国では物価が下落するデフレが長期化する懸念が台頭している。デフレになると通貨発行の
必要がなくなることから、通貨価値は上昇することになる。日本が90 年代後半から00 年代に掛
けてデフレに悩まされたが、この間長期に渡って円高水準が続くことになる。基本はデフレ経
済が背景にあった。
ユーロ圏は今後、日本が経験したことと同じデフレに悩まされることになる。一方で日本も経
常黒字額の縮小傾向が続いている。5 月12 日に日本の財務省が発表した2013 年度版の国際収支
速報によると、モノやサービスの取引状況を示す経常収支の黒字額は前年度比81.3 %減の7899
億円となり、比較可能な1985 年度以降で初めて1兆円を割り込んだ。もし経常収支が赤字に転
落するようだと、日本企業は手元の日本円を売って通貨ドルやユーロを購入して決済に充当しな
くてはならなくなる。
2012 年7 月には1 ユーロ= 94 円台まで買われた日本円であったが、現在は140 円近辺の水準。
ユーロ高・円安が定着する素地は整いつつある。