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ユーロ圏の危機はまだ先

2015/04/27

ドイツ国債の利回りは年率0.10%。しかし5 年物国債の利回りはマイナス0.14%、2 年物はマ
イナス0.268%とマイナス利回りに転落している。マイナス利回りとは国債を購入する時の価格
が額面を上回っている状態を指す。そのため満期時に戻る額は購入額より少なくなる。
ユーロ圏で最大の経済規模を誇るドイツ国債の利回りは、マイナス金利という形をとって、ユー
ロ圏の景気回復が長期化するとのシグナルを送っているのである。
日本の国債の利回りが0.3%であることを考えると、ユーロ圏もデフレが深刻化するのではな
いかと危惧する。
ではユーロ圏の他の国々の利回りはどうなっているのだろうか? 一時南欧危機で破綻が心配
されたポルトガルが2.04%、イタリアが1.44%、スペインも1.43%まで下がり、危機が去ったか
のような利回り水準に落ち着いているが、ギリシャだけは、通貨ユーロ離脱を市場が催促してい
るような利回り水準である。ギリシャ国債は年利回りが13.39%まで売られていた。7%が危機の
ボーダーラインと言われているだけに、さすがにギリシャのモラトリアムは避けられない、との
見通しが広がっている。
しかし今のところ投資家に慌てた様子はない。なぜならば同じ時期に危機に陥っていたスペイ
ンとイタリアの国債が買われているからだ。従ってギリシャでモラトリアムが発生したとしても、
今回はギリシャだけの問題であって、ユーロ圏全体の問題にならないとの見方が大勢である。
ただし国債の利回り低下が長期化すると通貨ユーロが安くなる。ユーロ圏以外の先進国である
アメリカの10 年物国債の利回りは1.9%、イギリス国債の利回りも1.59%とドイツ国債の利回り
よりも遥かに高い。従って通貨ユーロの対ポンド、対米ドル相場は今後も弱い相場が続く可能性
が高い。
通貨ユーロは対英ポンドで過去1 年に13.5%下落した。そして対米ドルでは25.4%と大きく下
落している。今後もギリシャのユーロ離脱問題の動向に限らず通貨ユーロが弱含みで推移するこ
とが予想される。ユーロ圏からのキャピタルフライト(資本逃避)が心配される。