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円安はまだまだ進む!

2015/06/18

1 ドル= 120 円前後でもみ合っていた為替相場がついに動き始めた。大方の予想を裏切る形で
円安が進行し始めている。6 月2 日には一時、1 ドル= 125 円台の安値を付けた。現在は123 円
台まで戻しているが、いつさらなる円安へ向かうのか予断を許さない。
根底には米ドルの早期利上げ観測が再燃していることが挙げられるが、米景気も力強さに欠け
ており、どちらかというと米連邦準備理事会(FRB)が無理やり、「ノーマリゼーション(金利の
正常化)」に舵を切るという印象である。
市場ではミセス・ワタナベを始め個人投資家が円高への予想を裏切られ、損切りが出ている模
様だが、この円安は日本経済にとっても好ましくない。昨年の原油安による恩恵を受けてきた日
本だったが、円安による輸入物価の上昇に加えて、原油価格そのものが反発局面に入っているか
らだ。幸いドル高による原油価格の上昇ピッチの後退で、原油価格は1 バレル= 60 ドルを上回
る水準で取引されているが、底値の1 バレル= 43 ドルからはすでに40 %近く反発している。
米系投資銀行のゴールドマンサックス社などは今後数カ月の見通しを1 バレル= 45 ドルと前
回の安値近辺をターゲットに置いているようだが、原油価格がそこまで下落すると想定される背
景には「ドル高の進行」が挙げられる。ドル高(円安)が進行すれば、原油価格下落の恩恵を日
本は享受できなくなる。為替が円安に振れたことによってメリットも相殺されてしまう。
円安が続きそうな理由はもう一つある。年初来の安値を更新する為替相場を尻目にドルインデッ
クス(実効レート)自体は3 月のドル高水準よりもまだ3 %程度低い水準にある。このことから
考えられるのは、今起こっているドル高は「真の円安」であるということだ。トリガー(円安の
引き金)は米利上げ観測だが、市場はドルの全面高ではなく、日本円を中心に売っているという
事実である。
長年、日本は円高に悩まされ続けてきたが、ようやく為替は日本の国力を評価し始めたのかも
しれない。日本の政治、経済、軍事力に国際性、ソフトパワー等。これらを総合しても日本が売
りに出されているという事実は、日本国のあり方を根本的に見直さない限り、円安是正には至ら
ない可能性が高い。
当面は1 ドル= 125 円から130 円がターゲットになりそうだが、長期的な視点で見た場合、こ
の円安は簡単に収まるものではない。円高への転換は日本の国力の回復ではないだろうか? そ
うこうしている間に2020 年から30 年に掛けて、日本の人口は毎年80 万人の減少という問題に
直面する。本当に円高になる材料など存在するのだろうか。